2008年1月5日土曜日

Comparative Study of Patent Examination Practices

Comparative Study of Patent Examination Practices「日米特許審査ハイウエイ」、「特許審査実務の三極比較研究」について特許庁発表(2007-12-20~28)
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT
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  「本当に新しい発明は、世界中の通常レベル同業者なら誰が考えても新しい発明であるはずだ」、すなわち、スポ-ツの世界新記録は、世界の誰が判断しても世界新記録であるのと同様に(直ぐには全世界で、というわけにゆかないが)、日本特許庁・米国特許商標庁(USPTO)のいずれの審査官が審査しても、「新しい発明で特許性がある(あるいは新しい発明でないから特許性がない」として、出願に対する認否を同一に判断できるはずだから、一方の特許庁で特許性の認否を決定したら、他の特許庁も同様に判断すれば、特許審査を半減できるというのが極めて簡単化した「日米特許審査ハイウェイ」の基本的考え方である。

1. 新年(2008-1-1)から「日米特許審査ハイウェイ」プログラムを本格実施
1-1 特許庁は予め次のように発表した(2007-12-20)(SANARI PATENT要約)
1-1-1 特許審査ハイウェイとは、海外での権利取得を支援する特許庁間の国際審査協力の枠組みである。日米間では2006年7月からその試行プログラムを開始し、両国のユ-ザ-から高い評価を得た。
1-1-2 このたび日本国特許庁と米国特許商標庁は、約1年半にわたる試行プログラムの結果を踏まえ、2008年1月4日から本格実施に移行することを決定した。
1-2 試行段階よりも対象を拡大し、次のケ-スも対照とする。
1-2-1 米国の仮出願を基礎として日本と米国に出願していて、米国の本出願が許可された場合は、日本の出願を日米特許審査ハイウェイの対象とすることができる。
1-2-2 日本の基礎出願の分割出願が日本で特許になった場合、米国の出願は日本の分割出願に基づいて日米特許審査ハイウェイの対象にすることができる。

2. 日米特許審査ハイウェイの現状
特許庁は次のように説明している。
2-1 特許庁は米国特許商標庁との間で、平成18年7月から日米特許審査ハイウェイ試行プログラムを開始したが、韓国特許庁との間で平成19年4月から、英国特許庁との間で平成19年7月から開始している。
2-2 特許審査ハイウェイは、出願人の海外での早期権利化を容易にすると共に、各国特許庁にとっては、第1国の先行技術調査と審査結果の利用性を向上し、審査の負担軽減と審査の質の向上を図る。

3. 特許庁は更に、「審査実務に関する三極比較研究」を公表した(2007-12-28)。
3-1  この研究の目的は、質の高い出願書類作成を支援するため、記載要件および進歩性について、三極特許庁の審査実務を比較研究し、その結果を出願人・代理人に周知することである。
3-2 このような観点から、この研究では、記載要件および進歩性について、三極の法令、審査基準の比較と事例研究を行う。

4. SANARI PATENT所見
特許庁のご努力に対して改めて深く敬意を表するが、知財専門家の立場からは、期待しつつも疑問続出というのが実態であろう。しかし、特許審査ハイウェイは、疑問よりも実行を先行させるべき課題であると、SANARI PATENTは考える。
(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)
Patent Examination、日米特許審査ハイウェイ、韓国、英国、特許審査基準

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