2013年12月18日水曜日

知的財産権の価値評価とNHKドラマのパテント・トロール


 

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT




日本弁理士会の機関誌「パテント」最新号と共に資料「弁理士による知的財産価値評価パンフレット」が届いた。銀行を舞台とするNHK企業ドラマが「倍返し」や「土下座」の流行語となったのに続いて、NHKの新ドラマの冒頭には「パテント・トロール」という米国業界の流行語が出ているが、トロール船のトロールではなく、「怪物」という意味のトロールで、新製品などを世に提供する目的ではなく、関連知的財産権を取得して、製造企業などの基幹特許権者に売りつけて営利する業態を指称している。とにかく、この種の売買が米国では盛んに行われており、まともな「知的財産権の価値評価」に対して、「根こそぎ」「洗い浚い」的なニュアンスもあるが、特許制度に内在する撞着を示している現象でもある(進歩性の定義・法的不安定性・属地主義)。

今次特許庁資料は、佐成重範弁理士が予て主張してきた「定性的・知的財産権評価と定額的・知的財産権評価の分別と関連づけ」の緊要性に即応するもので、現実の評価実施は、弁理士の専権業務たる「鑑定」(弁理士法第4条第1項)に先ず依拠すべきであり、従って、司法や税務における知的財産権の価値評価は弁理士会を通じて弁理士に委ねられているものの、世上、不健全な知的財産権取引が行われる余地もあり、その抑制の意味においても、上記弁理士会資料は高く評価・尊重すべきである。

(訂正の御要求は sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

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