2013年12月26日木曜日

有機ELテレビをめぐるソニー・パナソニック・タカノの役割


 

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT




有機ELテレビは高画質の次世代薄型テレビとして嘱目されてきたが、朝日新聞は「有機ELテレビ提携を解消。ソニー・パナソニック採算の目途立たず」と題して、「両社は、有機ELテレビの共同開発を年内にやめる方針を固めた。量産化しても、直ぐには採算を取ることが困難と判断し、当面、今の4倍高精細な4Kテレビに注力する」と報じ、更に、その背景事情として、「両社が持つ技術の融合が巧く進まず、量産に必要な有機ELパネルの耐久性の確保と、コスト抑制のバランスが思うように取れなかった」「このため、初期投資に見合うだけの量産は困難と判断した」と解説している。

この解説中の「耐久性の確保」が問題とされている事情については詳述していないが、タカノの上半期報告には、「次世代の光源として期待されている有機EL照明は、発光効率が蛍光灯に近づきつつあること、製造コストが安く抑えられるようになってきたことなどにより、今後、民生用への普及が期待され、中長期的には市場規模の急速な拡大が予想されている。しかし未だ、材料技術・製造技術上の課題は多く、国内外の有機EL各社とも研究開発中である。すなわち現状では、製造された有機EL照明のパネルの中には、一定期間は問題なく点灯するものの、電気的な問題から突然点灯停止してしまうものが生じている。タカノは、これらの課題に対して、短時間でのエージング検査を可能とする独自検査技術を開発した」と述べている。更にタカノ製品の特徴として、劣化寿命評価機能(5酒類の寿命クラスに分別など)、高解像色調検査機能(人の色知覚に基づく色の評価や比較の高性能化)などを掲げている。

佐成重範弁理士所見→一歩先と2歩先とは、国際競争の様相を異にする。4Kの現実展開競争と、有機ELの次世代競争の双方に、各企業がオープンイノベーションを展開すべき国際産業情勢下に在る。

(訂正の御要求は sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

 

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