2013年12月28日土曜日

「世界最高品質の知財システム」に取組む経済産業省


 

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT




経済産業省の産業構造審議会案が、「直ちに具体的な措置を講ずるもの」と銘打つ課題の第一に、「世界最速の審査システム」と共に「世界最高品質の知財システム」が掲げられている。「最高品質の特許審査」の意義は、「特に出願された技術を十分理解し、必要十分な国内外の先行技術調査および特許要件に関する適切な判断を行うことにより、後に国内外で無効となることのない強さと、発明の開示範囲内で最大の広さを有し、国際的に信頼され、世界に通用する有用な特許権を付与していくことを内外に明らかにすべく、特許審査の品質の維持・向上のための基本原則となる品質ポリシーなどを年度内に策定する」と述べ、「この原則に基づいて特許の審査基準の見直し、面接審査の充実、外国語文献調査の拡充およびこの調査の効率性を確保する観点から、高度検索システムの検討や国際的な調和を含む特許分類を再整備する」と、措置内容を示した。

佐成重範弁理士所見→ここにいう「知財の品質」と「知財の法的安定性」とは同一の概念であるのか。今次案のこの個所には「法的安定性」という用語を用いていないが、特許権が特許庁の審査官審査により特許性を肯定された後、特許庁審判官により否定の審決をされる場合、また、審査官も審判官も特許性を肯定した特許権が、知財高裁の判断により否定される場合、また審査官と審判官の判断が相違し、知財高裁がそのいずれかに同結論を示す場合、これらの諸場合が現に多発していることは周知の通りで、際案件については更に、外国政府知財部門との判断が相違する場合も多発している。これらの重要な課題を「直ちに」具体的な措置を講じて解決可能な課題であるかのような認識を広めることとなるならば、それは、特許権制度の内部撞着要素(例えば、進歩性の有無の一義的確定の不成立や属地主義)の解明を軽視した態度と評さざるを得ない。

(訂正の御要求は sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

 

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