2013年7月4日木曜日

「新生三井化学」の象徴の一つ、ドイツ社買収で高次元IT・高品位樹脂の歯科製品


弁理士 佐成重範 Google検索 SANARI PATENT
電力も電機もグローバル規模で業界システムが揺らいでいるが、化学業界ではどうか。三井化学の今次業績報告において同社・田中稔一社長は、「事業ポートフォリオの変革を加速し、新生三井化学を早期に実現する」と題し、「競争力ある事業を育成強化し、新製品の開発を急ぎ、グローバルに存在感ある化学会社として誇れる新生三井化学を創出する」旨を述べている。当面2013年度は売上高1兆6000億円、営業利益280億円を見込んでいるが、これを担う「高機能製品群」や「高付加価値ポリマー群」の象徴として、ここには「ドイツHeraeus社の歯科材料買収」の、三井化学のポートフォリオ変革、ヘルスケア分野拡大、海外市場展開に託する使命を要約しておく。
1.     本年4月に決定したドイツHeraeus Dentalの買収は、世界5国に生産拠点、22国に営業拠点を有し、売上高400億円に達する同事業基盤をベースにして、安定的に成長が見込まれる海外歯科材料市場への展開を加速し、三井化学のコア事業として成長させる。
2.     歯科材料は、金属からプラスチックへの素材代替が進んでおり、貴金属加工に強みを持つHeraeus社から、ポリマー技術に強みを持つ三井化学が歯科材料事業を買収することにより、更なる事業拡大を進める。
3.     世界的高齢化により、歯科材料の年6~7%の高成長が見込まれると共に、歯の形状の3次元データに基づき、義歯を製造するCAD/CAMシステム分野の市場が急速に拡大している。
佐成重範弁理士所見→上記歯科材料という特殊先端・拡大分野展開と併せて、シンガポールにポリエチレン(三井化学商標エボリュー)新会社を設立(来年末に完工)、タイに高機能包装フィルム(三井化学商標TUX)拠点を設立し今年度下半期に始動することは、アジア巨大人口の食品包装を通じて、三井化学の世界基盤を構築するものである。
(訂正のご要求は sanaripat@gmail.com mail下さい)


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