2008年2月1日金曜日

Inventiveness of Inverter Related Invention

Inventiveness of Inverter Related Invention :日立製作所・電圧形インバ-タの制御方法特許に対する安川電機無効提訴を知財高裁1月28日判決が棄却
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com  Google検索SANARI PATENT

1.インバ-タの技術開発
1-1 例えば三菱電機の新製品ニュ-ズには、「インバ-タは、三相誘導電動機の回転数を簡単自由に変えることができる可変周波数電源装置です。三菱電機では、用途に最適な機種を品揃えしています」「あらゆるニ―ズにベストチョイスで応える」として、小形ボディのオ-ルラウンダ・シリ-ズ新製品が紹介されている。(SANARI PATENT 注:インバ-タを「直交流変換装置」と表示する例の方が一般的である)。
1-2 新年に入って今月30日までの間に特許公開されたインバ-タ関係発明が180件に達する。例えば、(以下SANARI PATENT要約)
1-2-1 トヨタ自動車「電動機ユニットおよび動力出力装置」(特許公開日2008-1-24)
モ-タユニットに取り付けられる端子台でモ-タの複数端子とモ-タを駆動するインバ-タの複数端子とを、各々接続する複数の接族部間の絶縁性を確保しながら、端子台を小型化する。
1-2-2 安川電機「風力発電装置の発電機制御方法およびその装置」(特許公開日2008-1-24)
コンバ-タの出力を所定の電圧と周波数に変換して系統へ出力するインバ-タを用いて、ブレ-キなどの外部装置を用いずに風車の回転を減速すると共に、発電装置の稼働率を向上する。
1-2-3 松下電器産業「過電流検出回路」(特許公開日2008-1-24)
インバ-タと整流平滑手段を用いて、発熱による損失が小さく確実に過電流検出ができる小型の過電流検出回路を提供する。

2.今次知財高裁判決(下注)の概要
2-1 日立製作所は「電圧形インバ-タの制御装置およびその方法」発明について特許の設定登録を受けた(1993-4-8 :1751443)。交流電圧指令に基づいて直流電圧をパルス幅変調制御して交流電圧に変換し、その交流電圧を負荷に供給する電圧形インバ-タの制御装置およびその方法に関する。
2-2 安川電機は特許庁に対して2-1特許の無効審判を請求したが、特許庁が請求不成立の審決をしたので、安川電機はこの審決の取消を知財高裁に求めた。
2-3 争点は、日立製作所の2-1特許の発明が、三菱電機の「インバ-タ装置」発明、日立製作所の「パルス幅変調インバ-タの制御方法」発明、東洋電機製造の「誘導電動機のベクトル制御方法および装置」発明、日立製作所の「誘導電動機の制御方法」発明、明電舎の「インバ-タ装置の保護装置」発明、神鋼電機の「ア-ク長の自動制御方法」発明の各特許公開文献に記載された発明との関係で、進歩性を有するかである。
2-4 安川電機の主張に対する知財高裁の判断
2-4-1 安川電機は、日立製作所の本件発明が、電圧制御形インバ-タと電流制御形インバ-タの両方の構成を含むところ、日立製作所の本件明細書に示された実施例である電流制御形インバ-タ装置は電流検出器を必須とするにもかかわらず、審決がこの点を看過したことを違法である旨主張するが、本件発明は電流検出器を必須とするものでないことは明らかである。
2-4-2 安川電機は、「交流電流実測値」に代えて「交流電流指令値」を採用することは容易であると主張するが、日立製作所の本件発明の認識自体に誤りがあり、主張の前提を欠くと共に、日立製作所の本件発明は、「単なる置換え」ではなく、2-4-1の周知技術と同等ないしはそこから当然に導出される内容であると認めることはできない。
2-4-3 安川電機主張の日立製作所本件特許取消請求事由は、いずれも理由がないから、安川電機の本件請求を棄却する。

3.SANARI PATENT所見
  上記2-4-1の請求項記述内容判断と純技術的判断、2-4-2の「単なる置換え」か「新たな組合せ」か、想到容易か容易でないか、の判断は、知財高裁の緻密な説明によって裏付けられているが、「特許の質」を高める趨勢のもとで、「質の高低=進歩性の程度=容易想到性の程度」とSANARI PATENTは解するので、知財専門家の今次判決熟読・批評を期待する。
(注)平成19年(行ケ)10116審決取消請求事件・判決平成20年1月28日
(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)
Inverter、日立製作所、安川電機、三菱電機、明電舎、松下

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