2010年7月13日火曜日

SAKATA INX Co. Presents Innovation by Visual Communication Technology

サカタインクスの売上高4割超が海外
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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 114年の業歴を基盤とするサカタインクス(東証大証1部)は、「印刷インキ3位、新聞・金属用に強み、北米やアジアなど海外先行、インキは新聞・雑誌向け低調でも食品など包装用が伸長、機能性コーテイング剤育成、アジア高成長、インド・中国・ベトナムのインキ工場拡張し生産能力倍増、欧米も底入れ」と概評(会社四季報)される。サカタインクス高丸博次社長は、「サカタインクスは1896年11月に創業し、長い歴史の中で常に印刷情報産業の発展に貢献してきた。今後も、印刷用インキで培ってきた基盤技術に更に磨きをかけ、印刷情報産業の技術革新を支えるべく、革新的な事業活動・グローバルな活動・経営意識行動(Management Awareness in Action)・積極果敢な行動を行動指針とする」旨を述べている。
 電子書籍を始め、情報と文化コンテンツの流通をデジタル機器に依存する時流ではあるが、従来印刷文化における技術革新と感性高度化の進捗は、印刷文化独自の価値をイノベートし、電子機器による表現と異なる価値領域を新たに構築することも疑いない。従って例えば、サカタインクスの最近の特許公開発明の事例を見ても、グローバルにその価値を発揮するインキイノベーションに直結する発明が続出している。
(1) 光硬化型インクジェット印刷用インク組成物(公開日2010-07-01)→ 光硬化性に優れ、かつ、基材に対する密着性を良好とすることで、高温の延伸や曲げ加工性にも優れる光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を提供する。
(2) 負帯電性トナーおよびその製造方法(公開日2010-06-03)→ 非磁性一成分現像方式の電子写真用画像形成装置に使用して、感光体カブリを生ずることなく優れた画像を得ることができる負帯電性トナーおよびその製造方法を提供する。
(3) 新聞印刷用中性湿し水組成物(公開日2010-06-03)→ 新聞印刷時の湿し水組成物に含まれる燐の含有濃度が法規制値以下でも、印刷効果、防腐効果が優れ、環境に配慮された新聞印刷用中性湿し水組成物を提供する。
SANARI PATENT所見
 ケータイやスマートフォンのネット面のみに関心を奪われることなく、印刷インクの技術革新が世界に評価されているサカタインクスの業績進展を、日本のソフトパワーとして先ず国内で評価すべきである。一方、「メディア激変」(朝日2010-07-06)が指摘する「新聞の逆境」に、インク業界としてどう対処するかも考究を要する。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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